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第二筑波隊隊長 熊倉高敬中尉
熊倉高敬中尉は、専修大学を卒業し、海軍に入隊、第13期飛行予備学生、昭和20年4月14日、神風特別攻撃隊第二筑波隊隊長として、鹿屋基地を発進、徳之島東方の機動部隊に特攻、散華。任海軍少佐。
【熊倉中尉の日記より】
寒さがまだやってきた。強風をついて「彗星」が増槽を左右に下げて、早朝から出撃、索敵をしている。東天明るく、西南の方は暗雲低くたれこめおれど、上空晴天なり。
今日こそ出撃と朝早くから待機する。もうこの日記を書く暇もない。これで筆を置く。
誰の手を経てか届くことであろうが、俺の父母にも宜しくお伝え願いたい、必ず今日の出撃には、土産を得る事と信ずる。大きな正規空母でも土産にあの世で楽しもう。乱暴極まる字を見て驚く事と思う。また索敵機が頭上を飛び去った。吾等の出撃も間もないだろう。
飛行帽の下にキリリッとまいた日の丸の鉢巻、必ず轟沈をせん。朝日をあびて、愛機は待機して居る。わが荒鷲は命令一下、数秒をあらそって飛び立つのである。見よ、日本の朝ぼらけ!神機今まさに至らんとす。
行け若鷲、必殺必中の意気に燃えて!
4月12日 午前10時
さらば 皆々様の幸福を祈る
参考文献 『筑波海軍航空隊 青春の証』友部町教育委員会生涯学習課
熊倉高敬中尉 木名瀬信也氏提供
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