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第五筑波隊 諸井國弘少尉
奈良県出身。國學院大學史学科卒、第14期飛行予備学生、昭和20年5月11日、神風特別攻撃隊第五筑波隊員として、鹿屋基地を発進し、沖縄周辺の機動部隊を攻撃し、散華。享年23歳。任海軍大尉。
【諸井少尉の遺書】
昭和20年5月6日
拝啓、すでに此処南の第一線基地に来てから旬日、不思議に命長らえてまだいます。
今日は出撃だと思えば又然らず、しかし明日知れぬ我が命、一度出撃せば体当り、五体爆弾と共に若桜御国嵐に散ります。最新鋭戦闘機を愛機として行けるのは誠に幸福です。
現在の心境神様のみ御存知です。
毎日家の夢を見ます。もうきっと魂は家に帰っているのかも知れません。
凡人でも立派にやる事だけはやって、御期待にそいます故御安心下さい。今度敵空母撃沈の報あれば、國弘は靖国神社へ行ったと御思い下さい。二十有三年の御厚情、この一挙に報いさして頂きます。御国の為、家門の為、一生懸命に祈って征きます。誰かがこんな歌を作りました。
我が五体敵艦もろ共砕くとも
折には帰る母の夢路に
飛行機に乗れば何もかも忘れてしまいます。良いですね。
皇国の弥栄と父母上の御健勝を祈ってお別れします。
追、筑波の方から私の荷物が行く事と思います。「コウリ」と「ボストンバック」です。写真はそのうち誰かから送ってくれると思います。
さようなら
断行
23歳 國弘
参考文献
『青春の証 筑波海軍航空隊』友部町教育委員会生涯学習課
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