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第五筑波隊 吉田信少尉 

 旧制一高から東京大学卒業。第14期飛行予備学生。昭和20年5月11日、神風特別攻撃隊第五筑波隊員として、鹿屋基地を発進し、沖縄周辺機動部隊に特攻、散華しました。任海軍大尉。

 

【吉田少尉の遺書】

 昭和20年5月10日夜

 5月11日晴の出撃。黎明4時半整列、5時半鹿屋発にて一路南下す。目指すは只沖縄本島南方洋上の敵機動部隊。誓って必中轟沈。大戦果挙がって御稜威を宇内に耀かさん事を祈る。

 徳子姉上様、色々と私を可愛がって頂きお世話になりました事深く感謝します。この手記は私の最後の贈り物です。乱筆にて読みづらいでしょうが、御判読の上出来れば「写し」でも結構ですから、父母兄弟姉達にも廻して下さい。

​ ではしっかりやって参ります。あのお人形を持って行きます。

 

【筑波海軍航空隊記念展のことー木名瀬信也氏】

~​中略

平和を求める人は、戦争の真実を知る必要があると考えております。戦争の災禍は今更言及するまでもありませんが、戦争に否定的であった多くの若者が、将来に希望をかけて、眼前の危急に率先挺身して逝ったことを、是非記憶にとどめて欲しいと存じます。

 筑波隊に一高・東大出身の吉田信という少尉がおりました。彼の残した寄せ書きに、唯一字「望」という文字を見て、私は衝撃を受けました。出撃数日前のことでした。

 筑波空記念展の展示品の中に、様々な遺品や記念品がありますが、当時の戦時情勢を背景にしてご覧願えれば、若者の息吹が聞こえ、心情が伝わってくると存じます。私共生き残った者から見ても、惜しい人物を死なせたとの想いが致します。せめて戦死者の心根に共感し、その生き様を理解して貰うことが、私共の願いであります。

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​寄せ書き左側に、吉田少尉の「望」があります。

参考文献 『筑波海軍航空隊 青春の証』友部町教育委員会生涯学習課
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